野球では、160キロの球やホームランなどの醍醐味がある。
その中で「盗塁」もひとつの醍醐味であり日本プロ野球の「盗塁の技術」は他の国よりも高いレベルにある。
メジャーリーグなどは、あまりクイックが早い投手はいないが、日本の野球のクイックの速さはレベルが違うといっても過言ではない。
さらにそのクイックの速い投手から、盗塁するのだ。
スモールベースボールの野球をする日本にとってはこれからも強みとして持ち続けてほしい。
なんだか話を聞いてたら、日本の盗塁技術の高さが分かるね!
さて、ここで本題にしたいのが、日本プロ野球の中で盗塁の名手はたくさんいる。
では、どんな人間を盗塁の名手と呼ぶのであろう。
盗塁王になる選手なのか、盗塁の成功確率の高い選手なのか。それについて私の考えることを話していきたい。
※ちなみにこちらのページで盗塁成功率の通算ランキングを載せているので気になる方はご覧下さい🤞
参照: 盗塁成功率の通算ランキング|山田哲人、荻野貴司、西川遥輝ら現役選手が上位!
盗塁で大事なこと
まず、盗塁をするうえで何が大切かといえば
重要「勇気」と「スタート」である。
もちろん足の速いというのは大前提ではあるものの、私が見てきた中でどれだけ足が速くても盗塁が出来ない選手は数多く見てきた。
むしろ盗塁が出来ないというより、「スタートが切れない」といった選手である。
何で足が早いのにスタートを切れないの!?
盗塁をする際、投手の「牽制」を気にしなければならない。
なので、あまり速くスタートしすぎても牽制で刺されるし、そこをマークし過ぎて、スタートが遅れたらキャッチャーの肩でアウトになる。
そして、もし盗塁が失敗となればせっかく塁に出たランナーもいなくなり、流れまで向こうにいってしまうそういったこともある。
それを意識していくにつれ、次第に「スタート」を切れなくなってしまうのであろう。
なので、盗塁をするうえで、失敗になる事を踏まえて「スタートをきれる勇気」がある選手が盗塁をできるのである。
重要な場面で走れるか
盗塁王が年間する盗塁数は、年によって違うものの30.40といった数字を残しタイトルをとっている。
では、盗塁王になったらその年間の一番凄い盗塁の名手かといえば私はそうでないと思う。
えっ!?違うの?
例えば、点差が離れた場面で走った。
この場面について、私は一番盗塁が出来やすい場面だと感じます。
なぜなら、もしチームが4点差離れて勝っている時というのは、イケイケで、例え失敗してもあまり目立たない。
そのため、誰でも勇気を持って走ることができます。
だが、僅差の場面ではどうか。
8回裏1-2で負けてる場面で、1アウトでランナーが出塁したとき、盗塁が出来るか。
もし、失敗したら攻撃の芽を潰し、このまま負けになってしまうという緊迫の場面だ。
重要この緊迫感の中で盗塁を出来る選手こそが本物の盗塁の名手だと思う。
なので、盗塁王を獲得した選手が、どの場面で走っているのか。そこの中身によって本物の名手だといえるであろう。
盗塁のスペシャリスト
私が見てきたなかで一番凄いと盗塁の名手は、元巨人の「鈴木尚広」だ。
彼は、巨人時代スタメン起用はほとんどなく、代走・守備固めでプロ生活を過ごしてきた。
なので、年間通して40.50の盗塁をした経験は勿論ない。
だが、彼の凄さは僅差での場面。
ランナーが出塁したとき、その選手に代わって代走で出場する。
僅差の場面の代走というのは、盗塁を決めてくれるという選手を送り込み、ベンチからの期待もかかり、プレッシャーも凄いであろう。
そして相手からも盗塁をどこかでしてくるなと警戒され、盗塁が一番難しい場面だといえる。
この勝つか負けるかを左右される場面で、相手バッテリーも完全に警戒したうえでスタートをきり、成功させるのだ。
これぞ、盗塁のスペシャリストと言わせんばかりの活躍ぶりだ。
凄いな!鈴木選手のようなプレイヤーは野球界にとって必要なんだね!
そのため、代走の選手は1番酷であり、その場面で決める選手を私は心からリスペクトする。
その中で鈴木はその代表であろう。
最後に 記録よりも「記憶に残る・価値のある盗塁を」
以上のことから僅差での盗塁が1番難しい場面だと私は考える。
よく選手の中で、盗塁王になりたいと発言する人がいると思う。
盗塁王になるためには、難しい僅差の場面よりも、点差の離れた場面で盗塁を稼ぐことが盗塁王になるための1番の近道だと思う。
だが、それはあくまで個人的な記録の話にしか過ぎない。
やはり僅差の場面で盗塁をし、それが実ってチームが勝つ「記憶に残る・価値のある盗塁」を目指してほしい。
2013年WBCで日本VS台湾との試合
9回で、日本は1点負けており、2アウトでバッターは中日の「井端」、ランナー1塁に阪神の「鳥谷」がいた。
この絶対絶命の場面で、1塁の鳥谷が2塁に盗塁を決めた。
そして、その後打者の井端がヒットを打ち、走者鳥谷がホームを踏み同点となった。
結果、延長戦で日本が台湾に勝利した。
この場面、いまや伝説の名シーンとなっており、観てる人皆んなが興奮した試合であろう。
たしかにこの場面、盗塁を成功したからこそ良かったものの、失敗などしていればバッシングの的であったであろう。
だが、それでも失敗を恐れず勇気を持って走ることが出来る。
これが1番凄いことなのだ。
なので、これからの選手、記録も大事だが、是非とも「チームの勝ちに繋がる盗塁」を目指して、皆んなの記憶に残る盗塁をしてほしいものだ。
なるほど!盗塁王が一番凄い訳ではないんだ!
難しい局面で盗塁出来る人こそが優秀なんだね!
そうです!盗塁を多く走ったという事実ではなく、どの場面で走れて成功できたのか。
これが私の考える盗塁の価値です。
※後こちらにヘッドスライディングの危険性と禁止すべき事項の記事を載せていますので、是非ご覧下さい。
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